移動式クレーン運転士 / 論点
巻上装置
巻上装置とは、油圧モータの回転を減速機で減速してトルクを増やし、クラッチを介して巻上げドラムに伝え、荷の巻上げ・巻下げを行う装置のこと。
公表問題で確認済み
覚えること
動力の流れは油圧モータ→減速機→クラッチ→巻上げドラムの順。減速機は歯車式で平歯車減速式か遊星歯車減速式。ドラムのロック機構はラチェット。ブレーキは操作時だけ圧油で解除され、ふだんはばね力で常に効いている自動ブレーキ方式。
まちがえやすいところ
駆動の順序を入れ替えて減速機を最後にする/減速機を「歯車ポンプ」にすり替える/ロックを「ウォーム歯車」にすり替える/ブレーキを「電磁石で締め付ける」にすり替える。
確認に使った資料
公表試験問題の突き合わせ(減速機・ドラム・ブレーキとも正誤両版あり)
なぜそうなのか
順序は「回す→減らす→つなぐ→巻く」(モータ→減速機→クラッチ→ドラム)。誤り肢は順序シャッフルと部品名のすり替え(ポンプ/ウォーム歯車/電磁石)の二本立て。ブレーキが「手を離すと効く」向きなのは、つり荷保持を人の操作に頼らないため。
正しい書き方と並べて読む
この論点には、正しい記述と誤りの記述の両方が出題されています。色の付いた部分が、取り違えやすいところです(出典:安全衛生技術試験協会 公表試験問題)。
✕ 令和7年4月公表 問5(3)=誤り
巻上装置の減速機は、歯車ポンプを用いて油圧モータの回転数を減速して必要なトルクを得るためのもので、内接歯車駆動式又は外接歯車駆動式のものが使用されている。
○ 令和7年10月公表 問7(1)=正しい
巻上装置の減速機は、歯車を用いて油圧モータの回転数を減速して必要なトルクを得るためのもので、一般に、平歯車減速式又は遊星歯車減速式のものが使用されている。
✕ 令和7年4月公表 問5(5)=誤り
巻上装置のブレーキバンド式ブレーキは、一般に、電磁石によりクラッチドラムの外側をブレーキバンドで締め付け、摩擦力で制動する構造になっている。
○ 令和7年10月公表 問7(4)=正しい
巻上装置のブレーキには、クラッチドラムの外側をブレーキバンドで締め付け、摩擦力で制動する構造のものがある。
資料:この内容の出題を全部読む(10回分の全文・正誤・解説)
10 回出題(正しい記述 8/誤りの記述 2)。問題文・正答は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公表試験問題より。
この論点は正しい記述と誤りの記述の両方が出題されています。2つを見比べると、どこを取り違えやすいのかがはっきりします。
- 令和8年4月公表 問5 (1) — 誤りの記述
クラッチ装置を搭載している移動式クレーンの巻上装置は、ウインチ操作レバーを操作すると、油圧モータ、クラッチ、ドラム、減速機の順に駆動力が伝わり、荷の巻上げ、巻下げが行われる。
順序が違う。正しくは「油圧モータ→減速機→クラッチ→ドラム」。減速して力を増やしてから、クラッチを介してドラムに伝える。
- 令和8年4月公表 問5 (2) — 正しい記述
巻上装置の巻上げドラムは、ラチェットによるロック機構を備えている。
ドラムのロックはラチェット(つめ車)式。つり荷を保持するときの逆転を防ぐ。別の回の「ウォーム歯車が用いられている」が誤り版。
- 令和8年4月公表 問5 (3) — 正しい記述
巻上装置の減速機は、歯車を用いて油圧モータの回転数を減速して必要なトルクを得るためのもので、一般に、平歯車減速式又は遊星歯車減速式のものが使用されている。
減速機は歯車で回転数を落として力(トルク)を増やす装置。平歯車式か遊星歯車式が普通。別の回の「歯車ポンプを用いて…内接歯車駆動式」が誤り版。
- 令和8年4月公表 問5 (4) — 正しい記述
巻上装置のブレーキには、クラッチドラムの外側をブレーキバンドで締め付け、摩擦力で制動する構造のものがある。
バンドブレーキはドラム外周を帯(バンド)で締めて摩擦で止める。別の回の「電磁石により締め付ける」が誤り版(作動は油圧・ばね)。
- 令和8年4月公表 問5 (5) — 正しい記述
巻上装置の駆動軸が回転していても、クラッチ作動用の油圧シリンダに圧油を送らなければ、巻上げドラムに回転は伝わらない。
クラッチが「つなぐ」動作をしない限り、駆動軸の回転はドラムへ伝わらない。クラッチの役割(伝達と遮断)そのもの。
- 令和7年10月公表 問7 (1) — 正しい記述
巻上装置の減速機は、歯車を用いて油圧モータの回転数を減速して必要なトルクを得るためのもので、一般に、平歯車減速式又は遊星歯車減速式のものが使用されている。
減速機は歯車で回転数を落として力(トルク)を増やす装置。平歯車式か遊星歯車式が普通。別の回の「歯車ポンプを用いて…内接歯車駆動式」が誤り版。
- 令和7年10月公表 問7 (2) — 誤りの記述
巻上装置の巻上げドラムのロック機構には、一般に、ウォーム歯車が用いられている。
ドラムのロック機構はラチェット(つめ車)式。ウォーム歯車は用いられない。別の回に正しい版(ラチェットによるロック機構)が出ている。
- 令和7年10月公表 問7 (3) — 正しい記述
巻上装置のクラッチは、巻上げドラムに回転を伝達したり遮断したりするものである。
クラッチの役割は「つなぐ・切る」。駆動軸の回転をドラムに伝えたり切り離したりする。
- 令和7年10月公表 問7 (4) — 正しい記述
巻上装置のブレーキには、クラッチドラムの外側をブレーキバンドで締め付け、摩擦力で制動する構造のものがある。
バンドブレーキはドラム外周を帯(バンド)で締めて摩擦で止める。別の回の「電磁石により締め付ける」が誤り版(作動は油圧・ばね)。
- 令和7年10月公表 問7 (5) — 正しい記述
巻上装置のブレーキは、一般に、運転者が巻上げ下げの操作をしたときだけ自動的に圧油を送りブレーキを解除し、操作をしていないときはスプリング力を利用し、常時ブレーキが効いている自動ブレーキ方式が用いられている。
操作したときだけ圧油で解除、手を離せばばね力で常に効く——つり荷の保持を人の操作に頼らない安全側の設計。
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