一級ボイラー

一級ボイラー技士 / 論点

通風(自然通風・押込・誘引・平衡)

通風とは、燃焼用空気を炉に送り燃焼ガスを煙突から出す力のことで、煙突内外のガスの密度差による自然通風(Z=(ρa−ρb)gH)と、押込・誘引・平衡の人工通風がある。

定義・原理から導けます
覚えること
煙突の理論通風力 Z=(ρa−ρb)gH。外気の密度から煙突内ガスの密度を引く(密度の差が浮力を生む)。
押込通風=炉内が大気圧以上。空気の漏れ込みが無く効率は上がるが、気密が悪いと燃焼ガスが漏れ出す。
誘引通風=煙道・煙突入口のファンで吸い出す。高温・大容積のガスを扱うので大型ファンが要る。
平衡通風=押込+誘引。炉内を大気圧よりわずかに低く保つ。
人工通風は通風抵抗を大きくとれるのでボイラーをコンパクトにできる。
まちがえやすいところ
理論通風力の式を「(ρa+ρb)gH」と足し算にする(引き算が正しい)。押込と誘引の説明を入れ替える。
確認に使った資料
浮力は密度差から生じる、という原理から説明できる

なぜそうなのか

煙突の通風力は浮力。外の重い空気と中の軽い熱ガスの密度の差が押し上げる力になるので、式は (ρa−ρb)×g×H と引き算になる。足し算と書かれたら、「差が無ければ浮かばない」ことを思い出せばよい。押込=炉内は大気圧より高い(漏れ出す側)、誘引=低い(吸い込む側)、平衡=両方使ってわずかに低く保つ。誘引ファンが大型になるのは、燃焼で高温・大容積になったガスを扱うため。

この論点、1問だけ

知らなければ「わからん」でいい。その場で答えと教科書が出ます。

令和8年4月公表 問28(A)
煙突によって生じる自然通風力は、煙突の高さが高いほど、また、煙突内のガス温度が低いほど大きくなる。
教科書ではこう
煙突の理論通風力 Z=(ρa−ρb)gH。外気の密度から煙突内ガスの密度を引く(密度の差が浮力を生む)。
押込通風=炉内が大気圧以上。空気の漏れ込みが無く効率は上がるが、気密が悪いと燃焼ガスが漏れ出す。
誘引通風=煙道・煙突入口のファンで吸い出す。高温・大容積のガスを扱うので大型ファンが要る。
平衡通風=押込+誘引。炉内を大気圧よりわずかに低く保つ。
人工通風は通風抵抗を大きくとれるのでボイラーをコンパクトにできる。
まちがえやすいところ理論通風力の式を「(ρa+ρb)gH」と足し算にする(引き算が正しい)。押込と誘引の説明を入れ替える。
この記述は誤り。熱いガスほど軽い。軽いほど浮き上がる力が強い。温度が低いと外気と密度差がなくなる。

正しい書き方と並べて読む

この論点には、正しい記述と誤りの記述の両方が出題されています。色の付いた部分が、取り違えやすいところです(出典:安全衛生技術試験協会 公表試験問題)。

✕ 令和7年10月公表 問28(2)=誤り
外気の密度をρa、煙突内ガスの密度をρb、煙突の高さをH、重力加速度をgとすれば、煙突の理論通風力Zは、Z=(ρa+ρb)gHで求められる。
○ 令和5年10月公表 問28(1)=正しい
外気の密度をρa(㎏/m3)、煙突内ガスの密度をρb(㎏/m3)、煙突の高さをH(m)、重力加速度をg(m/s2)とすれば、煙突の理論通風力Z(Pa)は、Z=(ρa -ρb )gHで求められる。
資料:この内容の出題を全部読む(9回分の全文・正誤・解説)

9 回出題(正しい記述 6/誤りの記述 3)。問題文・正答は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公表試験問題より。

この論点は正しい記述と誤りの記述の両方が出題されています。2つを見比べると、どこを取り違えやすいのかがはっきりします。

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