一級ボイラー

一級ボイラー技士 / 論点

低温腐食の防止対策(一級)

低温腐食の防止対策とは、硫酸の露点以下に冷えた面で起こる腐食を防ぐために、エコノマイザや空気予熱器の表面温度を再循環や給水加熱器で高く保ち、露点を下げる工夫をすることで、高空気比燃焼は露点を上げるので逆効果である。

定義・原理から導けます
覚えること
低温腐食は硫酸の露点以下に冷えた面で起こる。防止策は温度を上げる/露点を下げる。
エコノマイザ:ボイラー水や出口給水を入口水に再循環させて表面温度を高くする/給水加熱器を用いる。
空気予熱器:予熱された空気の一部を入口側に再循環させる/伝熱板にセラミックスやエナメル被覆鋼を使う。
⚠ 高空気比燃焼は露点を「高く」してしまうので逆効果。軟鋼は濃硫酸には反応しにくいが希硫酸には激しく侵される。
まちがえやすいところ
「高空気比燃焼により露点を高くする方法がある」を防止策として出す(露点は下げるのが正しい)。
確認に使った資料
露点の原理から説明できる

なぜそうなのか

低温腐食は硫酸の結露。だから対策は2方向しかない——面の温度を上げる(エコノマイザへの再循環・給水加熱器)か、露点を下げるか。高空気比燃焼は酸素を増やして三酸化硫黄への転換を進め、露点を上げてしまうので逆効果。「露点を高くする方法がある」と防止策に混ぜられたら、結露しやすくしてどうする、と考えればよい。軟鋼が濃硫酸に耐えて希硫酸に激しく侵されるのは化学の性質で、露点付近でできるのは水を含んだ希硫酸——だから危ない。

この論点、1問だけ

知らなければ「わからん」でいい。その場で答えと教科書が出ます。

令和8年4月公表 問30(3)
エコノマイザの低温腐食防止対策としては、高空気比燃焼により、露点を高くする方法がある。
教科書ではこう
低温腐食は硫酸の露点以下に冷えた面で起こる。防止策は温度を上げる/露点を下げる。
エコノマイザ:ボイラー水や出口給水を入口水に再循環させて表面温度を高くする/給水加熱器を用いる。
空気予熱器:予熱された空気の一部を入口側に再循環させる/伝熱板にセラミックスやエナメル被覆鋼を使う。
⚠ 高空気比燃焼は露点を「高く」してしまうので逆効果。軟鋼は濃硫酸には反応しにくいが希硫酸には激しく侵される。
まちがえやすいところ「高空気比燃焼により露点を高くする方法がある」を防止策として出す(露点は下げるのが正しい)。
この記述は誤り。空気を多く入れると酸素が増えて三酸化硫黄が増え、露点が上がって余計に凝縮する。逆効果。

正しい書き方と並べて読む

この論点には、正しい記述と誤りの記述の両方が出題されています。色の付いた部分が、取り違えやすいところです(出典:安全衛生技術試験協会 公表試験問題)。

✕ 令和8年4月公表 問30(3)=誤り
エコノマイザの低温腐食防止対策としては、高空気比燃焼により、露点を高くする方法がある。
○ 令和7年10月公表 問30(3)=正しい
エコノマイザの低温腐食防止対策としては、低空気比燃焼により、燃焼ガスのO₂濃度を少なくし、SO₂からSO₃への転換率を低下させるとともに、露点も低くおさえる方法がある。
資料:この内容の出題を全部読む(10回分の全文・正誤・解説)

10 回出題(正しい記述 8/誤りの記述 2)。問題文・正答は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公表試験問題より。

この論点は正しい記述と誤りの記述の両方が出題されています。2つを見比べると、どこを取り違えやすいのかがはっきりします。

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