一級ボイラー技士 / 論点
安全弁の調整及び試験
安全弁の調整及び試験とは、ボイラー圧力を設定圧力の80%程度まで下げてから、吹出し圧力が低ければ調整ボルトを締め、高ければ緩めて設定し、過熱器用安全弁は本体より先に作動させ、手動試験は最高使用圧力の75%以上で行うという作業のこと。
定義・原理から導けます
覚えること
吹出し圧力が設定圧力より低いときは、調整ボルトを「締める」(ばねを強くする)。高いときに緩める。いずれもボイラー圧力を設定圧力の80%程度まで下げてから調整する。
本体に安全弁が2個あるときは、1個を最高使用圧力以下、他の1個を最高使用圧力の3%増以下で作動するよう調整できる。
過熱器用安全弁は本体の安全弁より「先に」作動させる(過熱器を焼損させないため蒸気を流し続ける)。
最高使用圧力の異なるボイラーが連絡しているときは、最も低いボイラーを基準に調整。手動試験は最高使用圧力の75%以上で行う。
まちがえやすいところ
吹出し圧力が低いときに「調整ボルトを緩める」とする(締めるが正しい)。過熱器用安全弁を「後に」作動させるとする。
確認に使った資料
ばねを締めれば吹出し圧力が上がる、という原理から説明できる。
3%増は構造規格の条文には無い(JIS由来)なぜそうなのか
安全弁はばねの力と蒸気の圧力の綱引き。吹出し圧力が設定より低い=ばねが弱く早く負けている、だから調整ボルトを締めてばねを強くする。過熱器用安全弁を本体より先に作動させるのは、先に吹けば過熱器に蒸気が流れ続け、空だきによる焼損を防げるから。連絡している複数ボイラーで最も低い最高使用圧力を基準にするのは、つながっている以上、圧力は一番弱いボイラーにもそのまま掛かるため。
この論点、1問だけ
知らなければ「わからん」でいい。その場で答えと教科書が出ます。
令和7年10月公表 問14(1)
安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを緩めて、再度、試験をする。
教科書ではこう
吹出し圧力が設定圧力より低いときは、調整ボルトを「締める」(ばねを強くする)。高いときに緩める。いずれもボイラー圧力を設定圧力の80%程度まで下げてから調整する。
本体に安全弁が2個あるときは、1個を最高使用圧力以下、他の1個を最高使用圧力の3%増以下で作動するよう調整できる。
過熱器用安全弁は本体の安全弁より「先に」作動させる(過熱器を焼損させないため蒸気を流し続ける)。
最高使用圧力の異なるボイラーが連絡しているときは、最も低いボイラーを基準に調整。手動試験は最高使用圧力の75%以上で行う。
まちがえやすいところ吹出し圧力が低いときに「調整ボルトを緩める」とする(締めるが正しい)。過熱器用安全弁を「後に」作動させるとする。
この記述は誤り。ばねを強くすれば吹出し圧力は上がる。低いのだから締める。緩めるのは逆。
正しい書き方と並べて読む
この論点には、正しい記述と誤りの記述の両方が出題されています。色の付いた部分が、取り違えやすいところです(出典:安全衛生技術試験協会 公表試験問題)。
✕ 令和7年10月公表 問14(1)=誤り
安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを緩めて、再度、試験をする。
○ 令和8年4月公表 問14(A)=正しい
安全弁の吹出し圧力が設定よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80パーセント程度まで下げ、調整ボルトを締めて吹出し圧力を上昇させる。
✕ 令和8年4月公表 問14(C)=誤り
過熱器用安全弁は、過熱器の焼損を防ぐため、ボイラー本体の安全弁より後で吹き出すように調整する。
○ 令和7年10月公表 問14(3)=正しい
過熱器用安全弁は、過熱器の焼損を防ぐため、ボイラー本体の安全弁より先に作動するように調整する。
✕ 令和8年4月公表 問14(D)=誤り
最高使用圧力の異なるボイラーが連絡している場合、各ボイラーの安全弁は、最高使用圧力の最も高いボイラーを基準に調整する。
○ 令和7年10月公表 問14(4)=正しい
最高使用圧力の異なるボイラーが連絡している場合、各ボイラーの安全弁は、最高使用圧力の最も低いボイラーを基準に調整する。
✕ 令和7年10月公表 問14(1)=誤り
安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを緩めて、再度、試験をする。
○ 令和5年10月公表 問15(1)=正しい
安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、いったんボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを締めて、再度、試験をする。
資料:この内容の出題を全部読む(9回分の全文・正誤・解説)
9 回出題(正しい記述 6/誤りの記述 3)。問題文・正答は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公表試験問題より。
この論点は正しい記述と誤りの記述の両方が出題されています。2つを見比べると、どこを取り違えやすいのかがはっきりします。
- 令和7年10月公表 問14 (1) — 誤りの記述
安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを緩めて、再度、試験をする。
ばねを強くすれば吹出し圧力は上がる。低いのだから締める。緩めるのは逆。
- 令和7年10月公表 問14 (2) — 正しい記述
ボイラー本体に安全弁が2個ある場合において、1個を最高使用圧力以下で先に作動するように調整し、他の1個を最高使用圧力の3%増以下で作動するように調整することができる。
2個あるうち1個は少し高めに設定して、順番に働かせる。
- 令和7年10月公表 問14 (3) — 正しい記述
過熱器用安全弁は、過熱器の焼損を防ぐため、ボイラー本体の安全弁より先に作動するように調整する。
先に吹かせて過熱器に蒸気を流し続ける。本体が先だと過熱器が空だきになる。
- 令和7年10月公表 問14 (4) — 正しい記述
最高使用圧力の異なるボイラーが連絡している場合、各ボイラーの安全弁は、最高使用圧力の最も低いボイラーを基準に調整する。
つながっている以上、いちばん弱いボイラーが壊れない圧力に合わせる。
- 令和7年10月公表 問14 (5) — 正しい記述
安全弁の手動試験は、試験レバーを手動で操作し、蒸気の通気テストを行うもので、最高使用圧力の75%以上の圧力で行う。
ある程度圧力がかかっていないと、弁が動いても蒸気が通らない。
- 令和8年4月公表 問14 (A) — 正しい記述
安全弁の吹出し圧力が設定よりも低い場合は、一旦、ボイラーの圧力を設定圧力の80パーセント程度まで下げ、調整ボルトを締めて吹出し圧力を上昇させる。
ばねを強くすれば吹出し圧力は上がる。低いのだから締める。
令和7年10月 問14(1) は同じ論点を「調整ボルトを緩めて」にして誤り選択肢にしていた。2回照合で「締める」が正しいと確定。
- 令和8年4月公表 問14 (B) — 正しい記述
安全弁が2個ある場合、1個は最高使用圧力又はそれ以下で先に吹き出すように調整し、段階的な圧力で作動するようにする。
2個を同時に吹かせず、段階的に効かせる。
- 令和8年4月公表 問14 (C) — 誤りの記述
過熱器用安全弁は、過熱器の焼損を防ぐため、ボイラー本体の安全弁より後で吹き出すように調整する。
先に吹かせて過熱器に蒸気を流し続ける。本体が先だと過熱器が空だきになって焼ける。
- 令和8年4月公表 問14 (D) — 誤りの記述
最高使用圧力の異なるボイラーが連絡している場合、各ボイラーの安全弁は、最高使用圧力の最も高いボイラーを基準に調整する。
つながっている以上、いちばん弱いボイラーが壊れない圧力に合わせる。高いほうに合わせたら弱いほうが壊れる。
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